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清陵学院の創設者………つまり、初代の理事長は、半世紀も前に他界している。先代は引退したものの存命中だ。今の理事長は3代目で、初代理事長の係累の中から選ばれ、理事長職に就いているに過ぎないのだが…………。
「わー、やっぱ王道なんじゃん!」
「きっと、その『転校生』って溺愛されてる理事長の甥なんじゃないか?」
千乃と三島、腐男子コンビの興奮は益々高まってゆくばかりである。いい加減〝ウザい〟と天音は思った。思っただけで口には出さなかった。
同学年の親友である千乃だけなら、ともかく。いくら〝ウザい〟とは言え、三島は一応先輩だから。
「あ、いえ。甥っ子じゃないんです。何でも今の理事長の大叔父の孫に当たるらしくって………」
「………じゃあ、所謂『はとこ同士』ってことだねぇ☆うーん、わかりやすいのかわかりにくいのか、判断つかないね~?」
しかし、理事長の祖父にしても大叔父にしても、既に他界している。子供の頃なら従兄弟(従姉妹)に会うことも珍しくないだろうが、その従兄弟(従姉妹)が家庭を築いた後、はとこに会うことは、そうそうないだろう。
まぁ、その従兄弟(従姉妹)夫婦が近場に住んでいるなら、ともかく。
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