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解散後。何とはなしに天音と千乃は一緒に、寮への道を歩いていた。ふと、真剣な表情をした千乃が口を開いた。
「………天。もしかしたら、何かあってからじゃ、遅いかも知んねー。なーんかヤな予感すんだよ………。」
「でもぉ、現時点じゃ~動きようがないでしょお?」
周りには、帰宅(寮だが)する生徒達がチラホラいるので、天音はまだ『演技続行中』である。だが、千乃の言葉に関しては真剣な表情で聞いていた。
「………そりゃ、そーだけど。でも、ホントに〝アンチな王道転校生〟にゃ、説得はするだけ無駄だからな。」
王道転校生に期待しつつも、〝アンチ〟はどうやら遠慮したい様子の千乃に、天音は盛大な溜め息を吐いた。
「千はぁ『萌え』さえ見れれば、どうでもいいんでしょ~?」
筋金入りの腐男子は『萌え』こそが原動力だ。『萌え』の為なら、例え火の中・水の中であろう。
「確かに王道は『萌え』だけど〝アンチ〟はウザいだけでさぁ………」
「あ~、それは大丈夫ぅ。『萌え』に興奮してる千と三島センパイもぉ、充分ウザいから~☆」
つまり、天音は『ウザさなら負けてない』と言いたいらしい。
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