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爽やかな笑顔で、バッサリと天音にそう言われた千乃は内心『orz』になっていたけど………。
「……………天。お前さ、俺のこと一体、何だと思ってんの?」
「え~?ウザくてぇ残念なイケメン腐男子って思ってるケド~?」
「……………………………………………」
あまりにもあんまりな天音の言い様に、千乃はぐうの音も出なかった。何で『親友』やってるのかさえ、怪しくなってきた。
「千ぃ~?ひょっとして落ち込んでるぅ?」
天音は『ひょいっ』と首を傾げて千乃の顔を覗き込んだ。顔を上げた千乃は、思ったより至近距離にあった天音の整った顔に鼓動が跳ねた。
こういった天音の不意打ちはズルいと、千乃は常々思っていた。(どちらかと言えば)元国際的女優である母親似の天音は時折、完全ノーマルなはずの自分さえ『ドキッ』とさせるような表情をする。
天音本人に自覚ない分、余計に質が悪いのだが………。天音自身は自分の容姿を客観的に認識出来ている。
つまり、自分が『綺麗寄りの整った顔立ち』なのはわかっている。けれど、自分が時折千乃さえも『ドキッ』とさせるような表情をしている自覚はない。
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