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「えっ!?なんでいるの?!」
声のした方に目を向けると案の定、驚いたような顔で立っている彼女がいた。
「君が、言ったんじゃないか。連れ出して、ってさ。」
「えへへ・・・そう、なんだけどね。でも・・・」
その先は言わない。彼女は僕の事情を知っているから。そう、僕はいわゆる『登校拒否児』というやつだ。
年齢に似合わずこんな喋り方をするから、クラスメイトからは疎まれていたし、それがわかっていながら学校に通えるほど僕の神経は図太くない。
「ううん、ほんとは・・・来てくれるって信じてた。ありがとう」
そう言って彼女は微笑んだ。
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