リベンジの誕生日②★

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ベッドに寝かせて覆い被さると、すぐに唇を塞いだ。意図せず、少し強引になってしまう。何度か食むようにそうして、舌を捩じ込んだ。戸惑うそれを掬い取って、吸い上げる。しばらく酔いしれていると、彼女が合間に抗議した。 「…日付が変わったら、すぐおめでとうって言いたかったのに…」 そんな事を言われても。もう俺の火は完全についてしまっている。今から15分待つなんて出来ない。 「…終わったら、ゆっくり言って…?」 「えっ、でも…」 「無理、我慢出来ない、」 冷房も電気も点いていない、蒸し暑くて薄暗い部屋。開いたままのリビングへ繋がる扉から、辛うじて冷気と光が差し込んでいる。 Tシャツを脱ぎ捨てて、もう一度唇を重ねた。そのまま彼女のパジャマのボタンに手をかけて、2つ外すと首からそれを引き抜いた。いつもみたいに慌てて胸を隠そうとするから、その手をまたいつもみたいにシーツに縫い付けて。彼女の透き通った首筋に顔を埋めた。 じっとりと、汗ばんだ肌。仄かに香る、シャンプーとボディーソープ。舌を這わせると、彼女は甘い吐息を漏らした。 もう既に暑くて、額から汗が流れる。だけど、冷房を点ける余裕なんて無かった。 サバンナのハイエナは、目の前を獲物が通ったら、脇目も振らずに追いかけると思う。例えは悪いけど、何だかそんな感じ。とにかく目の前の彼女に触れたくて触れたくて堪らなかった。目移りばかりしていたこの俺を飽きさせないなんて、彼女は本当に凄いと思う。それがテクニックなんかじゃなくて天然だから、更に凄い。
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