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「…アイツら…ホンットに…、」
項垂れた慶は、そのまま私の隣に横になった。
「何回邪魔したら気が済むんだよ、」
「ホントだね…、」
そう言えば、引っ越し当日もこんなことがあったっけ。
「本当はさ、俺、凛と2人でやりたいこと、いっぱいあったんだよ、」
「そうなの?」
「うん…実は1人で色々考えてた。でも瀬戸のせいで台無し」
この2日間、瑠璃は私にベッタリだったから。どうやら慶にとっては、少しお邪魔だったらしい。
そんな彼女とその彼氏の声が、部屋のドアを通り抜けて、中まで聞こえていた。
「何でノックしないの」とか「そっちが先に入ったんだろ」とか、一応私達の「お邪魔」に入ったことは反省しているらしい。
だけど、その口論が繰り広げられている限り、ムードを立て直す事なんて絶対に出来ない。
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