【企画】小児科のせんせい ★

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プロポーズして、彼女がすぐに帰って来た訳ではない。 沢山の仕事を抱えていたバリバリのキャリアウーマンだった彼女は、引き継ぎに1年弱の時間を要した。 その間、研修を終えた俺は、大きな病院で勤めていて。 帰国したら、頼んでも居ないのに自主的に、医療事務の資格を取ってくれて。開業時から一緒に働いてくれている。 どこまでも、出来た彼女だなと思う。 そんな彼女と、今日、やっと入籍した。 仕事の引き継ぎと、開業までのドタバタでかなり時間がかかったけど、やっと。 市役所からの帰り道は、スキップしたいくらいご機嫌だった。 帰ったら2人でまったりDVDを観て、夜は凛特製の唐揚げを食べて。デザートのプリンを食べながらバラエティ番組を観ていたら、凛が後ろから声を掛けてくれた。 「慶、お風呂もう沸くよ。先に入るよね?」 そう言われて、俺はやっと、兼ねてからお願いしたかったことを伝えることにした。 「…なあ、凛、」 「…なあに?」 「…一緒に入ろっか、」
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