2599人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
手を繋いで、新しい俺の部屋に入る。まだ整理していない積み上げられた段ボールの脇を抜けて、ベッドに辿り着く。そこに2人で座って、どちらともなくまた唇を重ねた。
薄く開いた唇の隙間から、舌を忍び込ませる。少し身を固くしたようだったが、躊躇いがちに応えてくれる彼女。
試しに、キスをしたままそっと抱き寄せて、服の上から背中や脇腹を撫でた。ピクリ、と肩が跳ねたが、抵抗する様子は無い。
やっと。やっとこの日が来た。
触れたくて触れたくて堪らなくて、我慢し続けた日々がやっと終わる。
そっと、ベッドに押し倒す。彼女を脅かさないように、トップスの隙間からゆっくりと手を差し入れた。
「…ッ…」
電気の点いていない暗い部屋。脇腹に直接触れただけで、恥ずかしがって身を捩る彼女が、扉の隙間から差すリビングの明かりで薄っすらと見えた。
どうやったら彼女を怖がらせないか、必死で考える。
頬にキスを落として、ゆっくりと脇腹を撫でる。反対の手は、彼女の手をしっかりと握っていた。
顔中に唇で触れて、耳に移動すると、彼女は身を固くした。
「…大丈夫だから、」
「…う、うん…」
そうやってペースを合わせているけど、正直もう目眩がしていて。俺の中の獣が目を覚まして、彼女をむちゃくちゃにしてしまいそうだ。
よく浮気もせずに1年以上も耐えたモンだ。自分を褒めてやりたい。
最初のコメントを投稿しよう!