凛の秘密③

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空港に着くと、保安検査場の前まで、瑠璃とケインくんが来てくれていた。 「え、ウソ、どうしたの?」 「慶が知らせてくれたんだ!」 「留学決まったなら言ってよね、」 もうその時点で、我慢していた涙は溢れてしまった。 悩んで決めた事だったけど、やっぱり寂しい。以前の私だったら、独りで過ごすなんて平気だったけど。今は、彼らが居ないと寂しくて仕方ない。 「泣かないでよ、貰い泣きするじゃん…!」 「俺も、俺も!」 「何でアンタが泣くのよ!」 2人のコントみたいなやり取りを見て、少し元気が出た。 「頑張ってね、凛子ちゃん」 「何か困ったら、すぐ連絡してね!」 みんなが口々にお別れをしてくれる中、慶だけは輪から少し外れて黙っていた。見兼ねたケインくんが、「お前も何か言えよ!」と彼を押す。 私の前に立った慶は、何故かばつが悪そうな顔をしていた。 「あの、慶、」 「ん?」 「朝、言いそびれたんだけど、」 ーーー誕生日、おめでとう。 「…おう、全然それどころじゃないけど」 そう言って、苦笑されたけど。私は手荷物のトートバッグの中から、小さな包みを取り出した。 「あのね、何も要らないって言われたんだけど、良かったら」 差し出すと、驚いたような顔で見られた。 「大したものじゃないんだけど、アルバム。お盆の旅行とか、学校で撮ったやつとか、現像したの」 「…ありがとう、」 受け取った彼は、照れた様子で頭を掻き、「じゃあ俺も」なんて呟いた。
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