帰国②

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「凛子、おかえりー!」 迎えに出ると、瑠璃とケインくんが立っていた。 「わ、久しぶり」 「てか凛子、化けたね!可愛い!」 「ほんとに、綺麗になった!」 玄関先で1番に褒められて、私の気分は上がった。 2人は、私が留学している間に付き合い始めた。どうやら、ケインくんが以前から瑠璃のことを好きだったらしい。慶からその事はメールで聞いていたので、改めて祝福の言葉を贈った。 「慶くんは?」 「居るよ、」 「久しぶりに4人でランチしようよ!良いお店見つけたんだ!」 「嬉しい!とにかく上がって、支度するから」 中に通すと、瑠璃が「何気に初めてだー!」って嬉しそうな声を出した。ケインくんは慣れた様子で廊下を進む。 「よー、慶!感動の再会、どうだった?」 悪びれなくケインくんが訊いたから、チクリと胸が痛んだ。 「慶くんさ、私達に来るなって言うんだよ?失礼だよね。凛子に早く会いたかったのに、」 ハハハ、と笑って誤魔化したけど、気まずくて居た堪れなかった。 店に向かう間、慶はケインくんの隣を歩いた。私はそこから数メートル後ろを、瑠璃と2人で着いて歩いている。 「ね、もしかしてだけど、早速ケンカ?」 そう訊かれて、ドキリと肩が跳ねた。 「仲良いね、アンタ達。よく4年も付き合って、喧嘩なんかするよねえ」 「…そんなんじゃ無いよ、」 喧嘩の方がマシだ。ただ、避けられているだけ。触れてくれないだけ。 綺麗でも何でも無い私に、愛想を尽かしてしまったんだろうか。 彼の薬指に輝くシルバーの指輪だけが、私達の関係を繋いでいるような気がした。
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