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「…これって、まさか、」
「…告られてる?」
「浮気現場確保!」
「…慶くんじゃないんだから、」
「俺は浮気なんてしねーよ!」
そんな事を冗談で言っていると。フワリ、と例の女子生徒の髪が風に靡いた。次の瞬間。
「……え?」
3人揃って、ポカンと口を開いた。
だって、2人がキスしたように見えたから。
そのまま2人は何か言葉を交わして、校舎の陰に消えた。
「…なに、今の」
私が呟くと、慶くんと凛子が絵に描いたように慌てふためく。
「いや、今のは違うよ、きっと!」
「そうそう、目にゴミが入ったとか、そういうベタなパターン!」
だけど2人のフォローなんて耳に入っていなかった。太い鋭利な刃物で胸を貫かれたような気持ちだった。思ったよりショックを受けている。
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