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リベンジの誕生日②★
8月29日、23時45分。お風呂から上がった凛がモジモジしながら、ソファに座っている俺の横に座った。頬をピンクに染めて、何か言葉を探している。
「…どうかした?」
顔を覗き込むと、目を泳がせながら、消え入るような声で呟いた。
「き、今日は、慶の部屋で寝ても良い…?」
思わず目を見開いて、「へ?」と素っ頓狂な声を上げた。そんな申し出は、1年の時の眠れなかった夜以来だ。
「慶、誕生日だから…1日中一緒、でしょ?」
確かに、そう言う約束をした覚えはある。だけど俺からすると、それは「朝から夜」で1日中のつもりだった。まさか、24時間一緒に居てくれるなんて。
しようという意味ではないのかもしれないけど、そんなことを恥ずかしそうに言われたら、心穏やかでは居られない。可愛い、堪らなく可愛い。
そっと彼女を抱き上げる。
「えっ、慶…?」
驚いてジタバタしている彼女を、そのまま寝室に連れ込んだ。
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