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温泉旅行①
本当に、凛は心が広い。
俺が彼女の立場だったら、泣いて謝っても許さない。それくらいのことを、奴らはしたと思う。彼女に言わせると、「それは慶には友達がたくさん居るからだよ」らしいけど。
次の日の昼、食堂で待ち合わせていた凛の隣に瀬戸が立っているのを見て、俺は驚きを隠せなかった。その数分後には健司もやって来て。彼女は「仲直りのしるし」と全員分のお弁当を作っていて、それを4人で食べた。
その間で、昨日までの険悪な感じはどこへ行った?と思うくらい、俺達は元通りになっていた。
予鈴が鳴って、凛がお弁当を慌ててしまう。
「あ、みんなは次は空くんだっけ、」
「俺達は空きだけど…瑠璃ちゃんは?」
「元々取ってたんだけど、必修じゃないから外したの。そこまでペラペラに喋れるようにならなくてもいいし」
「じゃあ、私行くね!」
凛はバタバタと走って行った。
「真面目だよね、凛子って。私がこの状況だったらサボるね」
そこが良いんだよ、と内心思ってると、健司に「そこが好きだとか思ってんだろ!」と冷やかされて、思わず吹き出しそうになった。
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