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帰国②
私のホストファミリーは、お父さんとお母さんと息子の3人家族だった。
息子のウィリアムは私と年が同じで、私が通う予定だった姉妹校に通っていた事もあり、毎日一緒ですぐに仲良くなった。
そんな彼に言われた印象的な一言。
「日本の女の子はお洒落をしないのか?」
確かに、初めて接した日本人の女の子が私だったら、そう思うだろうなと思った。日本に恋人がいるということも伝えていたので、「ケイは何も言わないのか?」なんて本気で心配されて。
じゃあ、日本に帰るまでに、お洒落の勉強をしよう!という話になった。
モデルは、高校時代に慶とよく一緒に居た一軍女子達。いつか、「見た目が良い子を選んでいる」と言っていた。じゃあそこに寄せればいいんじゃない?という話になったのだ。
語学の勉強と併せて、そんなことを夜な夜なウィルと研究をして。ビックリさせるために、頑なにテレビ電話は断った。写真も送らないようにしていた。
帰りの飛行機は全然眠れなかった。大好きな彼に、やっと会える。会えなかった2年間で、好きの気持ちはもっと大きくなっていた。
人前で抱き合ったりするのは苦手なタイプだったけど、彼の姿を空港で見つけたら、思わず駆け寄って抱き着いてしまった。
なのに慶は、目も合わせてくれなかった。
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