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【番外】宝物の隠し場所★
ケインの浮気騒動も収まって、その後はみんなでお酒を嗜みながら凛子の手料理を戴いた。久々に4人集まったので盛り上がってしまって、気付けば日付を跨いでいて。別に帰ってもいいんだけど、明日は土曜日だし泊まらせてもらおうということになり、順番にお風呂に入った。
ちなみに、ここに泊めてもらうのは初めてだ。
で、今、私は凛子と同じ布団の中。壁際に寝ている凛子は、すぐに整った寝息を立て始めた。慶くんは自分の部屋で、ケインはリビングのソファで寝ている。
もう布団に入って、かれこれ1時間は経つと思う。携帯で確認すると、時刻は深夜の3時。
なかなか寝付けないので、何か飲み物を戴くことにした。
凛子を起こさないように、そうっと布団から抜け出す。ドアを静かに開閉して、忍び足でソファの横を抜けた。
「…瑠璃ちゃん…?」
振り返ると、ケインがソファから身を起こしている。
「…眠れないの?」
「うん、ちょっと…ケインも?」
「ううん、俺はさっきまで寝てた…、」
「わ、ごめん、起こした?」
「良いよ、そんなの…それより、」
ーーーこっち、おいで。
ソファの上にあぐらをかいて、隣をポンポンと叩く彼。私は言う通りにそこに座った。
すると、そのまま逞しい腕に抱き寄せられた。
「…なに、」
「ん…、充電、」
肩口にスリスリと頬を寄せてくる彼。その仕草がらしくもなく可愛くて、そっと背に手を回した。
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