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「……っ」
片手にきゅうり持ってますけどね。
へへっと笑ってごまかしていたら、落ちていた携帯を拾ってくれた。
「ゲームが好きなの?」
「う……まあ、その、出会いもありませんし」
「そうそう。君のご両親も一矢も心配していたな。厳しくしすぎたから全く浮いた話が出ないって。こんなに可愛いのに」
きゅうり持ってるのに?
恥ずかしくって携帯を受け取ろうにも両手が塞がっていたのでお皿を出しに行った。
きゅうりについては何も言わないようだけど、せめて引いてるなら嫌な顔したり、フォローしたりしてほしい。恥ずか死ぬから。
「喬一さんの意地悪」
「え? どこが? なんで」
眠たそうだった目が大きく見開かれ、私を驚いた様子で見ている。
「こんな、ゲームばっかやってて、派手な見た目に反してオタクでお行儀が悪くて中身が可愛くないの、知ってるくせに」
生ハムきゅうりを切りながら、半ば八つ当たりに近い私の言い分に喬一さんは笑う。
「俺は見た目が可愛いって言ったわけじゃないけど」
ふっと笑われて、6歳も上の余裕を感じられ腹立たしい。
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