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そんな場所に私も行けば、本性がボロボロと出てしまって恥をかくだけ。
しかも今月は趣味で本当にお金がないので、タワーホテルの高級バーでの合コンの会費さえ払える自信がない。
「ありがとう。いつか親と兄の目を潜り抜けて見せるわ」
じゃあ、と定時5分を過ぎてしまい急いで着替えて駅へ向かう。憐れんでくれる二人の視線が刺さる中、見えなくなったら全力で走ろうと決めていた。
カラカラと飛んできた枯葉を踏むと、冬の訪れる音が聞こえてきた。
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