ワールド・マスター

あらすじ

　私たちの生きる現代、日本。

　ある日を境に日本各地で謎の空間の渦が発生し、そこに飛び込む事で誰の手も加えられていない別の世界と自由に行き来できることが判明した。その別世界は「クロス世界」と政府によって名付けられた。火山地帯であるフレイムエリア、大海原の広がるアクアエリア、巨大な電気街が立ち並ぶエレキエリアなど、人々の積極的な開発によってクロス世界は７つのエリアに分けられ、やがて人々が自由に行き来し、自由に楽しむテーマパークのような世界へと変貌を遂げた。

　同時に、クロス世界では、現地で作られた特殊な鎧を全身に身に纏って戦う「クロスマッチ」という戦闘競技が生まれた。デバイス一つで鎧を呼び出せ、どこでも誰もが戦える手軽さや迫力のあるバトルから大流行。クロスマッチを制するものはクロス世界を制する者とも言われるまでになり、クロスマッチの上位７プレイヤー達は「クロスカイザー」として各７エリアを統治する存在となった。

　遊木 アカツキは中学２年生、遊ぶ事が大好きな自由でグータラな少年。運動や鍛錬といったものが嫌いな彼はクロスマッチには目もくれず、クロス世界での遊び・食べ歩き・買い物を楽しみ、バトルとは無縁の人生を送っていた。

　しかし、いつものようにクロス世界で遊んでいるある日、無法者による悪事を見過ごせなかったアカツキは、父から貰った鎧を使い、初のクロスマッチに挑むことになる。初めての戦いに苦戦する彼であったが、人々の声援により立ち上がり、見事無法者を撃退することに成功する。

　この快挙にインタビューを受けるアカツキだが、調子にのった彼は、ワールドカイザーも全員倒して頂点である「ワールドマスター」を目指せると豪語してしまう。全世界にこの発言を発信してしまった彼は、自分の面子に賭けて、そしてワールドマスターとなってクロス世界で一生遊べる権利を手にする為にも、ワールドカイザー達を全員倒す事を目指していく……。