1章-相棒は狂犬な番犬?

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 彼女たちファントム・ハンターは、近年、突如ロンドンに蔓延したファントム症候群撲滅のために招集された特殊部隊だ。  一度かかると化け物へと変わり、二度かかれば死に至る恐ろしい病――ファントム症候群。  ファントムを二度患い、生き残った人間たちには超人的な身体能力が備わる。症候群に二度かかっていることが、ファントム・ハンターの条件だ。  2度のファントム症候群にかかり生き残った人間として、リリスも日夜ハンターとしての訓練を受けている。 「送られてきたということは、その方は望んで此処へ来られたわけではないのですね?」 「だからどうした。それが、お前に何か関係があるのか?」 「うぇっ! い、いえ、ありません! 申し訳ありませんでした、アルバート隊長。出過ぎた質問でした」  リリスは慌てて敬礼をした。 「貴様は相変わらず一々、小賢しいな。――安心しろ。貴様のバディは非力な貴様と違い、体力、戦闘能力共にずば抜けた才能を持っている。才能だけなら、ハンターの中でも一番だと断言できる」 「そのようなすごい方が、わたしのバディに……。どうしましょう、わたしのような非力で無力な女がバディだなんて、その方にご迷惑をおかけするのでは」  リリスは頭を抱えて苦悩した。そこで、はたと気が付いた。 「しかし、この先にあるのは、その――」  通称【お仕置き部屋】。この先にいあるのは、いわゆる独房だけだ。  そこは主に、反抗的なハンターを閉じ込める場所だった。
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