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 事件から数日、リリスとシドは任務に参加することは一度もなかった。  所謂、謹慎処分という事なのだろう。だが、シドにとっては面倒な仕事をしなくてもいいため、罰にはならないようだ。  この日も、何をするわけでもなくシドは談話室のソファで寝ていた。リリスはバディとして、常にそんなシドの隣にいるように心がけている。  ソファの隣に椅子を置き、本を読んでいると、突然、談話室に弾丸のような声が飛び込んできた。  その声を聞き、談話室にいた面々は弾かれたように立ち上がる。 「貴様ら、集合しろ! 私に時間を無駄に使わせたい奴らは、今すぐこの世から消し去ってやるから名乗り出ろ! それが嫌なら、さっさと並べこの愚鈍な下衆共が!」  蹴破るように談話室の扉を開けたのは、アルバートだった。  普段、アルバートはこんな場所にやって来ない。突然の隊長の登場に、アーサーやジジすら目を丸くしている。  なにやら、隊長はかなりご立腹の様子だ。悪魔も逃げるような魔王の如き隊長に、ハンターたちは恐怖に震えた。  そんな中、アルバートの背後から、温和な声がした。 「おやおや、そんなに怒鳴りつけては駄目だよ、バート。もっと優しく、手間をとらせると思わず手が出てしまうかもしれない――くらいにしておいた方がいい」  殺気を漂わせるアルバートの肩を、副隊長のリュシュアンが叩く。宥めたいのかよく分からない気の抜けた言葉に、アルバートは舌打ちを返す。
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