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 リリスは戸惑いながらユニに近づいた。ゆっくりと歩きながら目の前まで近づいた時、ユニは突然リリスの手を掴んだ。  驚きの声をあげる隙もなく、リリスはユニの隣に座らせられる。右手はユニに硬く握りこまれ、振りほどくこともできない。  ユニはリリスの手を両手で握りこむと、愛おしむように頬にあてた。その行動に、リリスは唖然とする。  驚きに動けないでいると、ユニは視線だけをリリスに向けた。 「すまないね。こんなところに呼び出して、驚いているだろう? でも、こうするしかなかったんだ。私はどうしても君ともう一度会わなければならなかった。私はあの日、君と初めて話したあの時、そう確信した」  ぎらぎらとした目に、リリスは喉を鳴らす。どう答えていいか分からず黙っていると、ユニはリリスの手を放した。その代わりに、今度はリリスの頬に手を伸ばす。 「本当は君の事をずっと前から見ていたんだ」  ユニはリリスの頬を撫ぜた。  冷たい感触に背筋を凍らせながらも、リリスは任務を遂行するために我慢した。 「君は知らないだろうが、君が街に出るたびに僕は胸を躍らせていたんだよ。ハンターだからね。たまにしか地上に姿を現さないから、少しでも姿が見られると一日浮かれた気分になった」 「わたしみたいなつまらない女を見て、楽しいのですか?」  それは、単純に疑問に思ったことだ。  数少ない外出時、決まってリリスは本屋や教会へ通っていた。同じ道を選んで歩いているが、その道に彼の邸でもあったのかもしれない。  それにしても、目ざとくただの女を探し出しては一喜一憂するものだろうか。リリスは彼の考えが読めずに戸惑った。  それが顔に出ていたのだろう。ユニは苦笑した。
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