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「ありがとうございます!!!」
俺はカーネーションの花束をお客さんに渡しながら、言った。
「あら?
エルゴくん、張り切ってるのねぇ?
いい事あった?
ねぇ?
あったでしょう?」
そう言って俺をからかうのは、フラワーショップ「ポピー」の店長の、リリーナ=A=ソナタさんだ。
かすみ草のように可憐で、美しい人だ。
「えー?
何にも無いっすよー!
あ、リリーナさん、今日ちょっとこの後用事あって……」
俺はカーネーションを切った葉っぱや茎を片付けながら、そう言った。
「あら?
デートかしら?
うそよ、うそ!
後は私がやっておくから、行ってらっしゃい?」
リリーナさんは、そう言って、ラッピングの紙を片付けた。
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