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「すいません!
おつかれ様です!!!」
俺はそう言って緑色のエプロンを外し、裏の部屋で、髪にワックスをつけ、薄いブルーのジャケットを羽織った。
外は、夕日が差し、空は茜色に染まっていた。
沈む太陽をバックに、鷹が一匹優雅に飛んでいた。
少し肌寒いそよ風が、吹き抜け、新緑の木々を揺らしていく。
そのそよ風は、地を撫で、大陸の終わりまで行くのだろう。
そうして、空の風と共になる。
俺はそんな事を想像しながら、ゆっくりとソナタの街を歩いていった。
ここは、空の島、空島。
そして、今いるこの島を、ソナタ島という。
俺たちは、"空人"と呼ばれる、空の島に住む者だ。
俺は通りをまっすぐに進み、ある喫茶店に入っていった。
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