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ミキのもとで時間を持て余していた若葉は、遠くからこちらに歩いてくる3人の男性たちに誰よりも早く気がついていた。
作業服を着た男性たちは何やら辺りを眺めながら話している。
「まったくひどい台風だったな」
「この辺りもひどい塩害ですね」
「これじゃ予算がいくらあっても足りませんね」
ミキたち住人も男たちを興味深そうに眺めていたが、やがて男たちはそのままどこかへと消えていった。
「そういえば、風の便りで聞いたんだけど、どこかの電柱が塩害で燃えたらしいわよ」
「ほんとお気の毒なことね、この辺りも注意しないといけないわね」
「男なんてほんと頼りにならないんだから、私ら女がしっかりしないとね」
「そうよ、ミキの言う通り」
「関東大震災の後からこの地に住み始めて、それからずっとこの土地で女同士、頑張ってきたんですもの!」
周りの住人も、この土地の古株であるミキにいつも励まされている。
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