一宿一飯の恩義・そうして新しい物語が動き出す

5/10
前へ
/108ページ
次へ
「どこの馬の骨ともしらないあたいの事、こんな  優しく受け入れてくれたのは手嶌さんが初めて  なんだ。だから、だから……」 「分かった。でも、キミはホントに何もしなくていい。  さぁ、寝よ ――」 「……あ、あのぉ ―― 手嶌さん?」 「なんだ?」 「答えたくなかったら、無理に言わなくていいけど、  もしかして手嶌さんって……」   実桜の視線は手嶌の股間へ ――   手嶌の股間は実桜からかなり手慣れた熱烈フェラを   されても ”ウンともスンとも”していなくて、   力なくダラ~ンと下がったままなのだ。    「ED?」   ”ぐっ”と、言葉に詰まる手嶌。   目に見えた動揺が走る。 「…………」   聞いてしまった実桜も   ”やっべぇ~、マジにそうだったぁ??”と   目に見え狼狽える。   何か ―― 何でもいいから、   言葉をかけてあげなきゃ! と、実桜が   焦りに焦りまくって紡いだ言葉は ―― 「前に何かの本で読んだ事あるけどさ、どんなに  健康な男の人でも些細な精神的ショックで一時的に  勃たなくなる事もあるんだってさ。だから ――」 「……だから?」 「今夜のところはおいらの顔を立てるつもりで、  ちょーっとだけ我慢してて?」 「??」   明かりを落とした部屋のベッドの上で、   手嶌は存分に高められていた。   巧みな口淫は実桜本人が言った通りその行為に   かなりの自信がある事を示していた。   手嶌の口からはギリギリまで抑えた喘ぎ声しか   聞こえない。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加