2話

1/5
前へ
/34ページ
次へ

2話

 小清水葛、私には好きな人がいる。こんなフェロモンセンサーなんて嘘っぱちだ。 確かに匂いや体臭はフェロモンに直結するのかもしれない。 それがイコール恋愛や結婚、そんなものに繋がるとはあまり思えない。 私はフェロモンセンサーでバイト先の先輩の物だと思われる匂いを嗅いだ。 しかし、恋愛として好きなのは幼馴染で同じ学校の佐々木なおだ。匂いは確かに好みではないのかもしれない。 でも、話し方や我の強いところ、太陽のように笑う顔すべてが愛おしい。 この感情があんな機械なんかに判断されてたまるものか。   バイトの先輩である西野朋美さんとの相性はおそらくいいのだろう。現に前々から告白めいたことを何度かされている。まぁ、全て好きな人がいるからと断っているが。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加