2話

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 ファミレスでスパゲティを食べながら、 「ね、ねぇ。」 「あ。口の端にソースついてますよ。」  小清水が口の端を拭ってあげる。 「あ、ありがとう。」 「いえ、それよりどうかしました?」 「え、えぇ。フェロモンセンサーのことで。」 この国では20歳の年にフェロモンセンサーを行う人が多いため、大学2年になるとアプローチをまたかけられるとは思っていた。 「はい。私も今年20歳なので、友達と行ってきましたよ。」 「どうだった?」 「どうだと思います?」  にこっとほほえみを見せる。 「私の匂いがしなかった?私、フェロモンセンサー受けたとき、もらった匂いじゃ、なんか違う気がしたんだけれど、あなたと会った時にこの匂いだ。って思ったのよね。」  数秒の沈黙ののち…。小清水は、 「そうですね。西野さんっぽい匂いがした気がしました。」 「やっぱり!相性いいのよ私たち。付き合いましょうよ。前から、ご飯も誘ったのにそっけなくて、さみしかったのよ私。」 「そうですね。フェロモンセンサー相性は良さそうですものね。そんなことなかなかないですもんね。付き合ってみますか。」 (この人、来年には就職のはずだし、それまでの付き合いとしてならいいかな。) 「ほんと。うれしい。ありがとうくずり。」
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