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ころん、とした体形の、見事な口ひげの中年の男性が、ものすごく変な服を着て、羽根飾りのついた帽子を胸にあてていた。
分厚い錦織の緑のチュニックは、金糸銀糸で縁取りをしたスリットがたくさん入って、下の白い絹のシャツをのぞかせている。丸く仕立てた半ズボン。大きく膨らませた袖。宝石付きのベルト。レースのついた飾り襟。
ものすごく高価そうな、しかしまったく見慣れないおかしな服装のその人は、私がこくんとうなづくと、にかっと笑った。りっぱな口ひげがぴくんと跳ね上がる。
「ひょっとして、ご本人であらせられまするか?」
もう一度うなずく。
「ああ、あの方のおっしゃっていられたとおりの可愛い方だ。
わたくしめはミューtrr%&$rr#"&srrrrともうす者。ただ、ミューとお呼びください。どうぞご別懇に」
凄い巻き舌で、はっきり聞き取れない、変わった名を名乗ったその人は、深くお辞儀をして続けた。
「わたくしは亡き勇者殿から・・・」
悲し気に声が割れ、ごほんと咳払いして、言い直す。
気が付けば、豪華な服の左袖に大きな黒い喪章が結ばれていた。
「亡き勇者殿からの言付かりものを預かってまいりましたのです」
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