〔2〕

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「おい、いつまで寝てるんだよ、このカボチャ頭」 「なななっ、なんだとおっ!」  あたしはシロンの悪態に跳ね起きた。 「ニンジン頭とか、トマト頭とか言われたことはあるけど、カボチャ頭だなんてひどいじゃないのっ!」 「あのなぁ、もうとっくに目的地にいるんだぜ? いつまでオネンネしてるつもりだよ、夜が明けちまう」  あわてて辺りを見回すと、どうやらここは墓地のようだった。  傾いた太陽に照らされた墓石が、湿った芝生に長い影を落としている。もう数分で真っ暗になりそうだ。それにしても、ううっカビ臭い。墓土臭い、暗くて静かで気持ちが悪い。候補生として魔法を習っていても、やっぱりお墓も幽霊も大嫌い。 「あー、あははははっ。でもシロンだって意識失ってたでしょう?」 「俺はおまえと違って、移動中に失神したりしないんだよ。もう十五分も無駄にしてるぜ」  むかっ、なによ偉そうに。マスタークラスにならなきゃ、移動中に正気でいられないのが普通なのに。 「ならもっと、早く起こしてくれればいいじゃない」 「おまえの間抜けな寝顔を観察してた、面白かったぜ」     
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