Moonshine

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「リカ、今日学食?」 「今日は買ってきた。幸はいつも通りコックのお弁当?」 ……最悪の第一印象だった初対面から一ヶ月もすると、あたし達は嘘みたいにつるむようになっていた。 というか正しくは、3人の方から何かとあたしに絡んでくる。 あたしもそのうちに3人といる方が楽になっていた。 今まで一緒にいたのは、まさに金持ちの親に甘やかされて育ったお嬢様ばっか。 その点3人は、金持ちの家ではあるけど頭も良い。 ……あたしのパパは、ラブホや風俗店を多数経営する会社の社長で。 しかも一代で会社を築いた、成金ってヤツ? 中学までは公立校で周りから会社の事でからかわれ、 私立高校に入ってみれば、由緒正しい家柄の人達に見下される。 でも3人にはそれがない。 むしろ家は家、自分は自分ってスタンス。 多分それが、あたしがこいつらを気に入った理由だ。 ……ただコイツだけは。 「リカ、コンビニ弁当かよ」 「……悪い?悟こそ今日は女子からの手作り弁当ないの?」 「これから行くとこ。…にしても、んな食生活でよくそんな育ったモンだな」 ニヤっと笑いながら視線を注いでるのは……もちろんあたしの胸!! 家の事と同じぐらいコンプレックスだっていうのに、悟ってば事あるごとにそればっかり!! 「一回ぐらいヤらせろよ。じゃな」 ……ほんっと……サイッテー!!!!
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