Moonshine

1/53
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ

Moonshine

あたしがあの3人に出会ったのは、あのつまんない高校で。 私立の一応偏差値の高い学校で、通ってるヤツは本当に頭がいいか親が金を積んで入学した金持ちのボンボン。 ……あたしは、ほんとーは今すぐ家を出たいぐらい気にくわないけど後者。 でも何も出来ないクソガキのあたしは、結局親のスネをかじるしかないんだ。 「アンタが、早坂 悟?」 制服を着崩して歩く見るからにチャラそうな男を、正面から睨み付ける。 噂はよく聞くけどこうして対面するのは初めて。 何人もの女の子と同時に付き合ってるとかいう最ッ低な女タラシ!! 「あ?……誰だ?」 「三組の狩野リカよ。日野 恵って知ってるでしょ?その子にアンタがちゃんと付き合う気あんのか聞いてほしいって頼まれたのよ!」 「あぁ……めんどくせぇ……」 めんどくせぇ!? それはこっちのセリフよ!! なんであたしがこんな事しなきゃいけないのよ!? 大体コイツ!さっきからあたしの胸しか見てない!! 「……あんたいい加減に……」 「どうかした?早坂」 不意に別の声が聞こえて、思わず黙ってしまった。 ……早坂 悟と並んで有名な二人。 「大野。なんかこの女が付き合う気あんのかとかめんどくせー事言ってきてよー」 ちょっと!! その言い方じゃあたしが付き合いたいみたいじゃない!! 誰がこんな最低男と!! 「……あんたね……!」 「ふぅん……でも、彼女の顔にも『なんでこんな面倒くさい事しなきゃいけないんだ』って書いてあるけど」 ……え? その男、大野 隆史の言葉に。 一緒にいた遠山 幸一郎が目を丸くして、あたしの顔を間近で覗き込んでくる。 「え?そうなの?なんで?」 ……なんなの、こいつら? 3人とも……変!! それが3人の第一印象。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!