クラブ・ローゼンのクリスマス(アルフォンス×ベリアンス)

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クラブ・ローゼンのクリスマス(アルフォンス×ベリアンス)

 12月26日、23:45  忙しいレストランも無事に営業を終えて、フロアやキッチンの片付けも終わった。明日は久しぶりに休みだ。 「オーナー、お疲れ様です!」 「あぁ、お疲れ様。気を付けて帰るんだよ」  スタッフ達が帰っていくのを見送って、アルフォンスは苦笑してスマホを手にする。着信は、ないままだ。  アルフォンスには、恋人のような人がいる。  出会って半年、こちらから告白したのが二ヶ月くらい前。本来ラブラブな時期だが、色んな理由でそうはなっていない。  一つはアルフォンスの年齢だろう。30歳、そろそろ遊びの恋は終わらなければならない。実家や姉から「恋人くらいいないの?」というセリフが聞かれるようになった。  堂々と紹介出来る相手なら、面倒だし決める事もできる。でも、それが出来ない理由が、二つある。 ガチャ  ドアが開く音がして、ビクリとアルフォンスは振り返る。時刻は23:55。  そこに立っている人を見て、アルフォンスの胸は甘く切なく締まる。約束ギリギリの時間だった。     
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