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アンケートは本当に簡単なものだ。呼ばれたい名前と、どういう相手が好みなのかが書かれている。
とはいえ、好みはあまりない。逆に苦手な相手もないが、あまり強引なのは苦手だ。それを書いておいた。
そして最後の項目に、女性はたじろぐ。
――貴方は腐女子で、そうした環境を望みますか?
どういう意図だろうか、これは。だが、明らかに「ぐぬぬっ」となる。そして、思いきって「Yes」に○をつけた。
アンケートを終えて数分後、案内されたソファー席には既に二人の青年がいた。
片方は肩にかかる程度の銀髪に緑色の瞳の少年っぽさが残る人物で、気さくな様子で手を振ってくる。
もう片方は褐色の肌にボブの黒髪。色気のある紫色の瞳をした青年だ。
どちらも既に色気が半端ない。
「こっちだよ、ミワさん」
銀髪の青年が真ん中の空いた部分をポンポンしている。つまり二人の間に座れということだ。
既に興奮で血圧上がる。頭から湯気が出そうだ。
それでもなんとか間に座ると、銀髪の青年がとても親しげに笑ってくれた。
「初めまして。俺はハリーね」
「あの、初めまして」
銀髪の方がハリーと名乗り、名刺を渡してくる。わりとしっかり着ているスーツが似合っている。
「ミワさん、ハリーばっかり見ないで俺も見てね」
「え?」
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