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「もぉ、仕方ないな」
言っても、あまり困ってはいない。つんっと柔らかな頬を指で突いてお姫様抱っこをして、部屋の鍵を開けた。
それなりに使い勝手の良い1LDK。内装はモノトーン調にてある。色がごちゃごちゃ入るのが嫌いなのだ。
寝室を開ければ独り寝には広いダブルベッド。そこにフェオドールを寝かせ、手早くシャワーを浴びてバスローブに着替えた。
「起きないの?」
すやすやっと眠っているフェオドールは嬉しそうな顔をしている。緩くて油断しまくりの顔。本当に、少し気が緩みすぎだ。
「起きないと、寝たまま悪戯しちゃうぞ」
それでも起きない。これは、寝たまま悪戯していいってことだろう。
そっと唇を奪い、舌を絡めてみる。緩んだ唇は簡単に思うがままになる。
「んぁ……ちゅっ、んぅ……はぁ……」
本当に寝ているのかな? と思える舌の絡み方。けれど声は寝ぼけている。
きっちりと着ているシャツの前を開けて、白い肌に手を這わせ、淡いピンクの乳首に舌を這わせると、ヒクヒクと体が震える。
「はぁん……やぁ、ボリスえっち……」
「ねぇ、起きてない?」
試しに擽ってみた。起きてるなら絶対に反応する。けれどこっちは反応がない。寝てる……のか?
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