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クラブ・ローゼンへようこそ(ハムレット×チェルル)
ここは色んな世界が曖昧に重なり合った世界。
そこに建つ一軒のホストクラブは、今夜も上品な外観に柔らかな明かりを灯している。
「ねーこくん、遊びにきたよ」
「うげ!」
一見爽やか風な笑みを浮かべたハムレットが、相変わらずの高級スーツに身を包んで現れる。それをみたチェルルはビクリと反応して、思わず逃げ腰になった。
「あ、あの、先生今日お仕事、は?」
「今日は非番。ちゃんと休まないと仕事にも支障きたすしね」
「でも、急な呼び出しあるかも……っ!」
「残念、全部引き継ぎ終わって新しい患者もこれからだからないんだよ」
スルリと顎を撫でられ、綺麗な青い瞳が覗き込んで来る。口元にある笑みが深くなっていくのが余計に怖い。今日は……逃げられないだろう。
ここは男専用クラブ。チェルルはまだまだ若くて、固定客もあまりついていない。唯一と言っていいのはこの人で、でもこの人だけで十分な売上金が入る。なぜならこの人はいつも個室を予約し、終わりまでチェルルを離さない。
「個室、行こうか猫くん」
「っ!」
ペロリと唇を舐められると、もうどうにもできなかった。
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