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クラブ・ローゼンへようこそ(ボリス×フェオドール)
ここは色んな世界が曖昧に重なり合った世界。
そこに建つ一軒のホストクラブは、今夜も上品な外観に柔らかな明かりを灯している。
ボリスが仕事から帰ってきたのは午前2時。
にもかかわらず、マンションの自室扉前に蹲る固まりを見て呆れるやら焦るやら。
「フェオドール、何してんのさ」
眠ってしまっているのか、年下の恋人は顔を上げない。
そもそも恋人になってそれほど経っていない。当然鍵も渡していなかったはずだが。
「フェオドール」
「ん……ぅ……」
「もぉ、世間知らずのお坊ちゃんなのにこの行動力はなんなの?」
肩を叩いて揺すっても、気持ち良く眠る可愛い子はむにゃむにゃしている。本当に、どこにこの行動力があるのか疑問だ。
最初は、とんでも兄で店の常連であるアルヌールに連れられてきていた。そこで少し話して、話すうちにどうにも悪いのに引っかかっているのを知った。そこと手を切らせた事で好かれたらしく、後は本当に強引だった。
あまり褒められた性癖をしていないボリスは恋人を作るのを躊躇ったけれど、押し切られて肌を合わせてみるとこれが具合がいい。
というよりも、ろくでもない男に引っかかり過ぎてすっかりマゾになっていた。
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