第六話 敬虔な次男

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 アスティリアーナの眠りは深く、夜にマーサが起こしても起きなかったらしい。なんと、目覚めたのは次の日の朝だった。 「…………」  青ざめて、頬に手をやる。 「ま、まあ疲れていたのですから仕方ないですよ」  さすがのマーサも、呆れているようだが言葉には出さなかった。  ベッドで身を起こしたアスティリアーナは、大きくのびをする。 「昨日、昼食と夕食はどうしたの?」 「姫様が眠っていることを言うと、部屋まで運んできてくれましたよ。姫様の分は、起きたら頼むつもりでしたが、姫様が起きませんでしたので……」  マーサが言いにくそうに付け加えたので、アスティリアーナは思わず苦笑した。 「悪かったわ。……リギルも、部屋で食べたのかしら?」 「そりゃそうでしょう」  そう、と相槌を打ってアスティリアーナは息をつく。  一昨日の夕食で、サイラス卿はリギルを嘲笑した。さぞかし不快だったろうから、昨日はなかったと聞いてホッとした。 「朝食も運んでもらいましょうか。姫様、昼までに湯浴みを終えて身支度しなくては!」 「そうね」  眠りすぎてだるかったが、アスティリアーナはベッドから下りた。
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