第七話 隠した教え

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 ドレスを着たアスティリアーナは、マーサを伴い、侍女の案内に従って食堂に向かった。 「アスティリアーナ姫。これは美しい」  サイラス卿が歩み寄り、褒めてくれる。  微笑むと、既に着席していたマルクも立ち上がって、「私の見立てでしたが、予想通り似合いますね」と一言口にして、父に続いてアスティリアーナに近づく。  手を取られて口づけられて、アスティリアーナは「ありがとうございます」と礼を口にした。 「とても素敵なドレス。見た時から、着るのが楽しみでした」 「それは何より。さあ座って!」  マルクは手を引いて、アスティリアーナの席まで導いてくれた。椅子を引いてくれたので、アスティリアーナは遠慮なく座る。すると、斜め前に座っていたディオンが皮肉気に笑った。  当然のごとく、彼は立ち上がらなかった。それが暗に、彼のアスティリアーナへの態度を示している。  次男と結婚しようが、敬う気はないということだろう。  サイラス卿とマルクは何も言わず、それぞれの席に着いていた。彼らは長男を咎める気はないらしい。  アスティリアーナ自身はともかく、マーサが怒りそうで彼女を見やったが、マーサは大人しくアスティリアーナの隣に座っていた。  ホッとして、アスティリアーナは食事に向き直った。
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