スカイブルーのワンピース
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スカイブルーのワンピース

放課後、とりあえず、スケッチブックにいくつかのアイデアを描いてみた。このままではいけない、と思ったからだ。でも、どれもなんだかしっくりこなくて、スケッチブックを閉じようとした時、 「出来た!」と、灯里の高い声が美術室に響いた。 「見たい。」というと、灯里はもったいぶるように間を置いてから、自慢げにキャンバスを私の方に向けた。 前にも見たスカイブルーのワンピースを着た女の子が、青空の下で、肩ぐらいのボブカットを風に揺らしていた。 その子は黒縁眼鏡で、華奢な身体で、まるで、 「…わたし?」 「正解!」と、灯里は水晶玉のような綺麗な瞳をキラリと輝かせた。 「ごめんね。勝手に。でも、ずっと美絵が描きたかったの。タイトルは“はじまり”、どうかな?」 灯里が心配そうに言った。 正直なところ、自分が描かれているのは恥ずかしいと思ったけれど、私はこの絵がとても気に入った。 特にワンピースの色が、夏の青空のようで、すごくいいと思った。 「とっても素敵!すごく!」思わず大きな声で言ってしまった。 すると灯里は、ホッと胸を撫で下ろしていた。 「ねぇ、どうして“はじまり”なの?」と私は聞いてみた。 「美絵はいつだって、新しいことするときは、私を誘ってくれてたから。」 「そう…だっけ?」 思い返してみてもわからなかった。
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