Whose story is this?

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Whose story is this?

 人々は朝を知る。しかし世界は昼も夜も忘れた。  人々は夜を知る。時計の針だけがそれを教えた。  空は赤黒く染まった厚い雲に閉ざされている。  鉛色で埋め尽くされた空はにおいすらも錆びていた。  昼と夜を忘れたあの空はまさに血のようではないか。  空に光があったことなぞ、人も世界も、遥か昔に忘れ去った。  朽ちかけた背の高い建物ばかりが群生し、路上には蒸した白い霧が立ち込める。豊かさを際立たせるために焚かれている明かりと、行き場の失った羽虫たちを誘うネオンライトだけがこの街の姿を映す光源。生温かな空気に祝福された大通りを行き交っているのは生に執着する者ばかり。  盲目的に己を信仰する者ばかり。  力無き者は陰に潜み、いずれ果てるそのときを待ち続ける。  生きる為に戦う事こそが生命の本能。  生きる為に生きる事こそが生命の本質。
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