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ギシッ、ギシッ、ミシッ。
軋みが激しい階段を上がってく。板が抜けないかが心配になってきた。2階の廊下の窓から外を見ると愕然とした。外はいつの間にか激しい雨が降っている。これではしばらくはとても外に出れない。
「まいったな・・・・」
こうなると本格的にこの山荘に泊まることになりそうだ。どこかゆっくり休めそうな寝床を探さないといけない。2階も客室のようなので順に中の様子を見ていく。
「ええっ!」
一番目の部屋のベッドに先客がいた。すでに白骨体となっている。
「なんなんだ。これは・・・」
感覚ではあるが偽者ではなさそうだった。あまりにも精巧すぎるだろう。抜けた髪の毛や歯の治療痕もある。
どうやらナイフで滅多刺しにされたであろう痕跡がベッドにあった。恐怖を感じて部屋を出る。何がどうなっているのやら。どうやら殺人事件でもあったのだろうか。そのまま放置されているからには表立って事件にはなってないのだろう。
乱れた息を整えて隣の部屋を見てみると。ここにも壁や床に黒い染みがあった。
「これはもしかして赤かったんじゃあないか・・・」
これは明らかに血痕ではないか。下の階の部屋も恐らく・・・・。しかもこの部屋に関してはまだ新しい、とても最近のようなものの感じがする。
「なんてこった」
この山荘はとんでもない、異常だ。しかもこの血痕の持ち主はどかにいるのか・・・影も形も無い。隣の部屋の住人とは別口に違いないとなると自分で移動した。あるいは別の誰かが・・・・。
ガタン!
一階で何かが倒れるような音がした。
恐怖に駆られて一番奥の部屋に飛び込んだ。
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