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部屋に駆け込むと扉を閉めて中の様子を見る。この部屋に関しては特に何もなく片付いていて乱れていない。扉の鍵を中から掛けると外の様子を窺う。10分・・・20分ほどだろうか、特に変化は無かった。老朽化した何かが落ちただけだろうか、しばらくこの部屋で休むことにした。
ホコリはあるが比較的まともなベッドに横になる。もちろんデリンジャーは手離さない。天井をみながら考える。なんて酷い夢を見ているんだと。こんなホラー映画まがいのことをなんでやらないといけないのか。忘年会はどこにいったんだ。
疲れていたから知らぬ間に眠りにつく。起きたら日常に戻れると信じて。
・・・・・・・
・・・・
・・
・
ザァー。
目が覚めると雨の音がした。まだあのベッドの上にいる。どうやらまだ夢の中らしい。雨はまだ止まないのか。早くこの山荘から出て行きたいものだ。
遠くから一定のリズムで軋む音が聞こえる。
ミシッ、ギシッ、ミシッ。
誰かが階段でも登っているのだろう・・・。階段だと!
いそいで跳ね起きて廊下に意識を向ける。あきらかに誰かが2階にやってきている、それもこの部屋に真っ直ぐ向かってきている。
ガチャ、ガチャガチャ。
どうやらこの部屋に入ろうとしているみたいだ。銃を前に構えて神に祈った。帰ってくれと。
再び気配が帰っていく。どうやら1階に下りていったらしい。
「ふぅ・・」
まさか人がこんなところに居るとは。私みたいに道に迷ったのか人なのか・・・。それにしては足音に淀みがなかった。最初からこの部屋に用事があったかのようだ。どうやらこの山荘に住んでいる者がいるのかもしれない。そしてかなり危険な存在だろう。あの部屋の惨状を見る限りは・・・。
さて、どうしようかこのままではいずれ見つかってしまう。今のうちに他の部屋に移動する手もあるが一時凌ぎにしかならないか・・・。できれば正体を確かめたいところだが先手必勝で銃弾を撃ちこむか・・。それにしても1発勝負だから確実に至近距離でないと・・・。
また外から移動してくる気配がする。今度は足早にコチラに向かってきている。扉の前に来たと思った瞬間。
ドン!
扉が大きく叩かれて、扉が外から壊されているのか。どうやら斧で強引に扉を破ろうとしているらしい。
どうする。どうすれば・・・。
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