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序章 DUST
【弐番街/サウスアベニュー】
そにには、贅を尽くした煌びやかな洋館があった。洋館の前のロータリー広場にはバス停と、そしてその場所には秩序があった。
人々は仕事を求めてこの洋館に集まる。
屈強な男、武装した女。奇抜な出で立ちをした変質者。肌の白い者、黒い者。大人、そして力があるのなら子供も。
その誰もが不必要に誰かと交わる考えは持たない。しかしそういった者たちがいくら集まろうと、この洋館の前ではみな等しく自制を働かせていた。
強き者と弱き者。狩る者と狩られる者。生きる者、死す者。
誰もが生きる為に成すべきことを行う。
しかし個人が優先されては社会が成り立たない。
複数の個人を生存させるために社会がある。
無闇に他人の物を奪ってはならない、他人を傷つけてはならない、殺してはならない。
社会を維持させるルールを破ってでも己を存続させようとする者もいる。
社会は小数を切り捨てて多数を支持する。
それが効率よく生きる手段だ。
ギルド――社会から逸脱した獲物を、狩人たちに斡旋する場所。
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