5/6
前へ
/25ページ
次へ
「DUST様に一件の依頼が届いております」  ウルカは慌てて受付台の上の依頼書をとった。 「ちょっと! これ! まぢっすか!」  リストを拾ったウルカは文字通りの目前で、Aの刻印をまじまじと見つめた。 「ついに私たちにランクAの仕事が? 嘘じゃないわよね? 何かの間違いじゃないわよね?」  シャンはウルカからリストを奪い取り、紙をひっくり返して疑っていると、デュティが手を伸ばしてきてリストをとった。  個人的な感情はすっかり失せていた。冷静な眼差しで依頼書に目を通した。 「code;sister……?」  デュティはシャンに振り返るが、シャンは首を振る。 「聞いた事ないわ。新しく登録されたcodeかしらね」 「ということはお初? お初でAってすごくないっ!? アタシなんか10年でやっとAなんだよ……」 「でもこの依頼……、依頼人は誰かしら。書かれていないけど……」 「きっと恥ずかしがりやさんなんだよ」 「そういうもんじゃないでしょ」 「最低報酬は1万ミラです。生きたまま捕獲で10万ミラ。死後は腐敗・損傷の程度で減額となります。依頼主は一部でも部位に応じて引き取るとのこと。その際のご相談もギルド窓口になります」  デュティは、血判するために口に近づけた親指を、唇に当てたまま躊躇した。  (依頼を受ける/怪しいな……)
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加