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シェルターに押し込まれた理由は何か? いつまで待っていれば良いのか? 待っていたら何かが起こるのか? 俺は助かるのか? 親父はこれからどうすのか?
様々な質問は誰かに尋ねることもできず、胸の中に広がったもやもやは晴れることはなかった。
それから、学校にも行かずにシェルターで過ごすことにした。学校にはインフルエンザだからしばらく休むということにしておいた。
俺がシェルターに避難する前に学校でも不思議な事は起こっていた。
高校生最後の夏休みを楽しく終えた始業式の日、クラスメイトの何人かが転校していた。
日に日に、教室の中にポツポツ席が空いていく事に不信感が芽生えていた。転校の理由は、親の都合や、海外留学など様々ではあったが、だいたいが金持ちの息子やお嬢様であることは共通していた。また、この頃からシェルターの建築ブームが訪れた。この夏には台風や竜巻、地震など天災に見舞われた夏だった。
「天災に備えておきましょう」
テレビでもそう言っていて、俺もそう信じ込んでいた。
しかし、俺の家にはブームの前からシェルターは建設されていた。しかも、平均的なシェルターの設備をはるかに超えたものであった。
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