2/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
急カーブを曲がると、目の前に大きなトラックが現れた。ブレーキはしっかりとかかっているはずなのに、スピードは落ちない。 慌てて僕はブレーキを強く踏み込みこんだが、間に合わなかった。 そこからは全く記憶がない。 かなり危険な状態だったらしいが、なんとか一命を取り留めた。 しばらくして、僕が乗っていた同じ車種のものが、急に機能が止まってしまうという恐ろしい状況を生み出すということが分かってきた。 それも全ての車というわけではなく、なんらかの条件が組み合わさって起こるものだといわれている。 僕は回復に向かうと、メーカー担当者や警察から何度もその状況を確認されたが、思い当たることが浮かばない。 「心当たりがないんですよ。自動運転装置を切ったわけではありませんし、本当に突然動かなくなったとしか言いようがなくて」 「事故のショックでその前の記憶が飛んでしまっている可能性がありますね。もしご協力いただけるのであれば、検査に協力いただけますか?」 「ええ、それは構いませんが……」 軽い催眠状態となり、その時の状況を思い出すという取り組みであることを説明され、その検査を承諾した。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!