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「あんな夢を見ましたが、子どもの頃はそんなに秋が嫌ではなかったと思います。この時期に事故を起こしてからかもしれませんね」 「そうですか。そのことも一応記録させていただきますね。もちろん、今回で話したことは個人名が明かされないよう処理させていただきますので、ご安心ください」 事故が起きた原因追及のためには、何からの形で他者に報告されることは、仕方のないことだろう。 それにしてもこの真っ白で無機質な部屋はまるで病院の様で、やはり気分が落ち着かない。 これはいつまで続くのだろうと思いかけた頃、担当者がこちらを見た。 「検査はこれで終了させていただきます。本日はご協力いただきありがとうございました」 そう言われ肩の力が抜け、部屋を後にした。 多分もうここへ来ることもないだろう。 僕は事故を起こしてから、車には乗っていない。 あれから乗る気も失せ、車がなくても不自由しない場所に移り住んだ。 もう車に振り回される人生を終えることにしよう。 そう、心に決めた。
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