少女

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『君に届くと信じたい』 寒い 私は身震いをしたらしい 何日目だろうか もう 久しく何も口にしていない 不思議とお腹が空かないの 近くにあった薄い継ぎ接ぎまみれのブランケットを身に纏い 蹲まる 光も差さない 音も聞こえない 誰も存在しない 私以外 なにもない ただ目の前に大きく重い鉄の戸が在るだけ わざわざ出ようとは思わない このままこの身ごと朽ち果てるを待つのみ 今の時も解らない 寝て起きれば一日は過ぎているはず 長い髪も今では鬱陶しいだけ 衣服も小さいし破れている 寒さから眠気が寄ってくる このまま永遠寝ていれたなら 良いのに もう 目覚めたくはない 私は 外には行きたくない 二度と同じ目には遭わない 私は再び眠りにつく 傷つきたくはないから
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