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聖剣持つ勇者と魔女が睨み合っている。
後ろから僧侶の悲鳴が聞こえてきた。魔女の僕はここまでくる前に全て倒したはずだが、伏兵がいたようだ。助けに走りたいが、目の前の魔女から目を離せば即座に呪文で焼き尽くされることは必至だろう。魔法使いがこっちは任せてあなたは魔女に集中してと叫ぶ。格闘家がかろうじているものの、普段最前線で戦っていたアルフレドと戦士がいなければ苦戦は確実だろう。アルフレドは魔女に大剣の一撃を振り下ろした。親玉を倒せば伏兵は消えるだろう。しかし、魔女の結界に大剣が止められる。だが、この剣はただの剣ではない。ありとあらゆる魔を断つ聖剣なのだ。結界が裂かれることを察した魔女は一歩退いた。案の上、アルフレドの大剣は結界を破壊した。即座に魔女が呪文を唱える。劫火がアルフレドに直撃した。聖剣で受けたとはいえ、ダメージは深刻である。手足と顔の半分は焼け爛れている。魔女は再び余裕の笑みを浮かべる。勝ったとでも思ったのだろうか。
その瞬間、聖剣が魔女の喉元を切り裂いた。
黒こげの腕の先に聖剣が輝く。刹那、魔女は叫び声をあげた。伏兵たちも既に戦意を失っている。主を失った魔物どもは蜘蛛の子を散らすがごとく去っていった。
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