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「待ってたよ」
「長らくお待たせしましたぁ」
ビルに入ると、メガネ&長身、スーツ姿の技術部長、浅沼愁也が待っていた。
「じゃあ、行こうか」
エレベーターに乗った
オフィスは50階建てビルの40~43階にある。
エレベーターの中には俺たち以外にも人が乗っていて、沢山の匂いがする。
整髪剤の匂い、汗や香水の匂い、エレベーター特有の金属とオイルの混じった匂い
俺はそういうのをいちいち感じてしまう。
うーん、なんか、この香水きついな
乗った瞬間、その匂いが俺の鼻を刺激してくる
クラクラする、だんだん息も上がってきてる
思わず愁也の服を掴んだ。
すると、彼は俺と場所を交換しエレベーターの角に俺を追いやり、俺と壁の間に手をついた
こういうのを"壁ドン"とか言うんだろうけど、そんな事は言ってられない。
彼がそうしてくれることによって、気分が悪いのは変わらないが、きついと感じていた香水の匂いがしなくなっていく。
俺の会社はそこそこ高いとこにあるから、だんだんエレベーターの中の人は減っていくんだけど、その香水の匂いつまり、それをつけている人は結局、俺たちが降りた後も乗っていた。
あそこの社員め~
心の中で悪態をつき、やっとのことで降りる
「まずは、お前の部屋だな。話はそれからだ」
愁也はフラフラする俺の体を支え部屋へと急いだ
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